背景
本件は、被相続人の生前、あまり親交がなかった被相続人の姪、甥が相続人となる相続でした。相続人の中には、他の相続人と親交がなく、依頼者が連絡を取ったところ、遺産分割の協議はしないという態度を示す人もいました。依頼者は、このままでは遺産分割協議が出来ないと言うことで、相談に来られました。
受任後、まず、被相続人の遺産調査をしました。依頼者が、遺産の中から被相続人の供養に要する費用などを差し引きたいという希望を持っていたことから、それらを差し引いて遺産分割の対象となる財産を確認しました。
そして、相続人に対して遺産分割協議の申し入れをする際には、遺産の調査の結果に基づく遺産の内容だけでなく、依頼者が遺産から差し引くことを希望している費用の見積もりについても説明する手紙を送付しました。
すると、相続人から、遺産から費用を差し引いた金額をもとに、法定相続分どおりの分割であれば応じるとの連絡がありました。
そこで、このような事情を反映させた遺産分割協議書を作成し、遺産分割をすることができました。
弁護士からの一言
遺産分割を行う際、普段親交のない相続人がいると、連絡が取れない、連絡が取れたとしても、遺産分割協議に応じてもらえず、話が進まないということはよくあります。
本件でも、依頼者本人が連絡をした際には、遺産分割に応じないという態度を示していました。
しかし、弁護士という第三者が介入したことによって、相続人が協議に応じ、さらに、依頼者の希望であった被相続人の供養に関する費用を遺産から支出することについても了承をもらうことができました。
相手方に遺産分割協議に応じてもらえないという場合、第三者が介入することで、状況が変わる場合があります。